半導体の作り方とは?製造工程を初心者向けにわかりやすく解説

半導体の作り方とは?製造工程を初心者向けにわかりやすく解説
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スマートフォンやパソコン、自動車、AIサーバーなど、私たちの身の回りにある電子機器には半導体が欠かせません。しかし、「半導体はどのように作られているの?」「前工程や後工程とは何?」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。

半導体は砂から作られたシリコンを原料に、数百〜1,000以上もの工程を経て完成します。その製造工程は世界でもトップクラスに複雑で、最先端技術が集結したものです。

この記事では、半導体が完成するまでの流れを初心者にもわかりやすく解説します。


目次

半導体はどのように作られる?全体の流れ

  • 半導体製造は3つの工程に分かれる
  • 半導体が完成するまでの流れ
  • なぜ工程数が多いのか

半導体製造は3つの工程に分かれる

半導体の製造工程は、大きく分けると次の3つです。

  1. 設計工程
  2. 前工程
  3. 後工程

家づくりに例えると、「設計図を作る」「家を建てる」「内装を仕上げる」という流れに似ています。

半導体も最初に設計図を作り、その設計図どおりに回路を形成し、最後に製品として組み立てて完成します。


半導体が完成するまでの流れ

全体の流れは次のようになります。

工程内容
設計工程半導体回路を設計する
前工程シリコンウエハに回路を形成する
後工程チップを組み立てて検査する

完成した半導体は、スマートフォンやパソコン、自動車、AIサーバーなどへ搭載され、世界中へ出荷されます。


なぜ工程数が多いのか

半導体は、人の髪の毛よりもはるかに細い回路を何十億個も作る必要があります。

そのため、

  • 膜を作る
  • 回路を転写する
  • 不要な部分を削る
  • 不純物を加える
  • 表面を磨く
  • 洗浄する

といった工程を何度も繰り返します。

最先端の半導体では、前工程だけで1,000工程を超えることもあり、「世界で最も複雑な工業製品」と呼ばれる理由の一つです。


半導体の設計工程とは?

  • 回路設計とは
  • フォトマスクを作る
  • 設計が半導体性能を左右する

回路設計とは

半導体作りは、まず回路設計から始まります。

CPUやGPU、メモリなど、用途に応じて電子回路を設計し、「どのような性能を持たせるか」を決めます。

この設計データが、半導体製造のスタート地点です。


フォトマスクを作る

設計データをもとに作られるのがフォトマスクです。

フォトマスクはガラス板に微細な回路が描かれた原版で、露光工程でシリコンウエハへ回路を転写するために使われます。

例えるなら、回路を印刷するための「型紙」のような存在です。


設計が半導体性能を左右する

現在はAIや自動運転向けの半導体需要が急増しています。

そのため、より高性能・省電力な半導体を設計できる企業ほど、高い競争力を持っています。

NVIDIAやAMDなどの企業は、自社工場を持たずに設計へ特化する「ファブレス企業」として世界的に成長しています。


前工程とは?シリコンウエハに回路を作る工程

  • シリコンウエハを準備する
  • 回路を形成する
  • 前工程を何度も繰り返す

シリコンウエハを準備する

前工程は、シリコンウエハから始まります。

シリコンインゴットを薄くスライスし、鏡のように磨き上げた円盤がシリコンウエハです。

このウエハが、半導体チップの土台になります。


回路を形成する

前工程では、さまざまな装置を使って回路を形成します。

代表的な工程は次のとおりです。

  • 成膜
  • フォトリソグラフィ(露光)
  • エッチング
  • イオン注入
  • CMP(研磨)
  • 洗浄
  • 検査

これらを繰り返すことで、ナノメートル単位の精密な回路が作られていきます。


前工程を何度も繰り返す

1回の加工で半導体が完成するわけではありません。

成膜・露光・エッチング・洗浄などを何十回、何百回と繰り返すことで、最終的に何十億個ものトランジスタを持つ高性能な半導体チップが完成します。

そのため前工程は、半導体製造の中でも最も高度な技術が集まる重要な工程といえます。

後工程とは?チップを製品にする工程

  • ダイシングでチップを切り出す
  • パッケージ化して製品にする
  • 品質検査を行い出荷する

ダイシングでチップを切り出す

前工程が終わると、1枚のシリコンウエハには数百〜数千個もの半導体チップが作られています。

しかし、この状態ではまだ1枚の大きな円盤なので、そのまま製品として使うことはできません。

そこで行われるのがダイシングです。

ダイシングでは、ダイヤモンド製のブレードやレーザーを使ってウエハを1つずつのチップに切り分けます。

切り分けられたチップは「ダイ」と呼ばれ、ここから本格的な組み立て工程へ進みます。


パッケージ化して製品にする

切り出したチップは、そのままでは非常に壊れやすく、外部機器とも接続できません。

そこで行われるのがパッケージ化です。

主な工程は次のようになります。

工程内容
ダイボンディングチップを基板へ固定する
ワイヤーボンディング金線や銅線で電気的に接続する
モールド樹脂でチップを保護する
パッケージ外部端子を取り付け製品化する

最近ではAI向け半導体の高性能化に伴い、複数のチップを1つのパッケージにまとめる先端パッケージ技術も急速に発展しています。


品質検査を行い出荷する

パッケージ化された半導体は、そのまま出荷されるわけではありません。

最後に、

  • 正しく動作するか
  • 消費電力は基準内か
  • 発熱に問題はないか
  • 不良品ではないか

などを厳しく検査します。

この検査に合格した半導体だけが、スマートフォンやパソコン、自動車などへ搭載され、世界中へ出荷されます。


半導体は何から作られる?

  • シリコンが使われる理由
  • シリコンウエハが土台になる
  • 半導体には多くの材料が使われる

シリコンが使われる理由

半導体の主な原料は**シリコン(ケイ素)**です。

シリコンは砂や石英に多く含まれており、地球上で酸素に次いで豊富な元素です。

さらに、

  • 電気を流したり止めたりしやすい
  • 熱に強い
  • 加工しやすい

といった特徴があるため、半導体の材料として広く使われています。


シリコンウエハが土台になる

シリコンは高純度まで精製された後、円柱状のシリコンインゴットになります。

そのインゴットを薄くスライスしたものがシリコンウエハです。

鏡のように磨き上げられたウエハの表面に、何十億個ものトランジスタを形成することで半導体チップが作られます。

つまり、シリコンウエハは半導体の「土台」となる非常に重要な材料です。


半導体には多くの材料が使われる

半導体はシリコンだけで完成するわけではありません。

製造にはさまざまな材料が必要になります。

代表的な材料は次のとおりです。

  • フォトレジスト
  • フォトマスク
  • 高純度ガス
  • 薬液
  • CMPスラリー
  • 銅などの配線材料

これらの材料を供給する企業も、半導体産業を支える重要な存在です。

投資家の視点では、チップメーカーだけでなく材料メーカーにも注目することで、半導体市場をより広い視点で理解できます。


半導体製造にはどんな装置が使われる?

  • 製造装置の種類
  • 日本企業が強い分野
  • 装置メーカーが重要な理由

製造装置の種類

半導体は人の手で作れるほど単純な製品ではありません。

ナノメートル単位の精密加工を行うため、さまざまな専用装置が使われます。

代表的な製造装置は次のとおりです。

装置主な役割
成膜装置薄い膜を形成する
露光装置回路を転写する
エッチング装置不要な部分を削る
洗浄装置異物を取り除く
CMP装置表面を平らに磨く
検査装置回路の異常を調べる

これらの装置が連携することで、高性能な半導体が製造されています。


日本企業が強い分野

半導体製造装置では、日本企業が世界トップクラスのシェアを持つ分野が数多くあります。

例えば、

  • 東京エレクトロン(成膜・エッチング)
  • SCREENホールディングス(洗浄装置)
  • ディスコ(ダイシング装置)
  • レーザーテック(マスク検査装置)
  • アドバンテスト(半導体検査装置)

などは世界中の半導体メーカーに製造装置を供給しています。


装置メーカーが重要な理由

どれだけ優れた設計があっても、高性能な製造装置がなければ半導体は作れません。

そのため、製造装置メーカーは半導体産業の根幹を支える存在です。

AIやデータセンター向け半導体の需要拡大に伴い、今後も最先端装置への投資は続くと考えられており、投資家からも高い注目を集めています。

半導体メーカーは何を作っている?

  • 半導体メーカーには3つの種類がある
  • 世界の代表的な半導体メーカー
  • 投資家が注目すべきポイント

半導体メーカーには3つの種類がある

半導体メーカーと聞くと、「すべての会社が半導体を作っている」と思われがちですが、実際には役割が異なります。

大きく分けると、次の3種類があります。

種類主な役割代表企業
ファブレス半導体の設計を行うNVIDIA、AMD、Qualcomm
ファウンドリ半導体を受託製造するTSMC、UMC
IDM設計から製造・販売まで行うIntel、Samsung、ルネサスエレクトロニクス

例えば、NVIDIAはAI向けGPUを設計していますが、自社工場は持っていません。

設計した半導体はTSMCなどのファウンドリ企業が製造しています。

一方、IntelやSamsungは設計から製造まで自社で行う「IDM」と呼ばれるメーカーです。


世界の代表的な半導体メーカー

世界には数多くの半導体メーカーがありますが、その中でも特に存在感が大きい企業を紹介します。

企業特徴
NVIDIAAI向けGPUで世界をリード
TSMC世界最大の受託製造メーカー
Samsungメモリ半導体で世界トップクラス
IntelCPUメーカーとして世界的に有名
ルネサスエレクトロニクス車載半導体に強み
ソニーセミコンダクタソリューションズイメージセンサーで世界トップクラス

AI、自動運転、データセンターなどの市場拡大により、これらの企業は今後も世界経済を支える重要な存在になると考えられています。


投資家が注目すべきポイント

半導体関連株へ投資する場合は、チップメーカーだけを見るのではなく、産業全体を見ることが重要です。

例えば、

  • 材料メーカー
  • 製造装置メーカー
  • シリコンウエハメーカー
  • 半導体メーカー
  • パッケージメーカー

といったように、製造工程ごとに多くの企業が関わっています。

製造工程を理解すると、「どの会社がどの工程で利益を生み出しているのか」が分かるようになり、投資判断にも役立ちます。


半導体の作り方でよくある質問

  • 半導体は何から作られる?
  • 半導体が完成するまでどれくらいかかる?
  • 日本でも半導体は作れる?

半導体は何から作られる?

半導体の主な原料は**シリコン(ケイ素)**です。

シリコンは砂や石英から作られ、高純度まで精製された後、シリコンウエハとなります。

そのウエハの上に電子回路を形成することで、半導体チップが作られます。


半導体が完成するまでどれくらいかかる?

半導体は非常に複雑な製品であり、完成までには一般的に2〜3か月程度かかります。

前工程だけでも数百〜1,000以上の工程があり、それぞれ高い精度が求められるためです。


日本でも半導体は作れる?

もちろんです。

日本にはルネサスエレクトロニクスやソニーセミコンダクタソリューションズなどの半導体メーカーがあります。

また、製造装置や半導体材料では、日本企業が世界トップクラスのシェアを持つ分野も数多くあります。

半導体産業は、日本が世界に誇る重要産業の一つです。


半導体の作り方とは?製造工程を初心者向けにわかりやすく解説まとめ

  • 半導体は設計工程・前工程・後工程の3つの工程を経て完成する
  • 前工程ではシリコンウエハの上に微細な回路を形成する
  • 後工程ではチップを切り出し、パッケージ化して製品にする
  • 半導体の原料はシリコンだが、多くの材料や製造装置が必要になる
  • 半導体メーカーには「ファブレス」「ファウンドリ」「IDM」の3種類がある
  • 日本企業は製造装置や半導体材料で世界トップクラスの技術を持っている
  • 製造工程を理解すると、半導体業界の全体像や関連企業の役割、投資先の違いまで見えてくる

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